しらべる|くらしの雑学
ポテチの袋がパンパンなのはなぜ?中身は空気じゃなかった

先に結論
酸化よけとクッションのため
ポテチの袋がふくらんでいるのは、チップスが酸素にふれて味が落ちるのをふせぎ、割れからも守るためです。 中に入っているのはふつうの空気ではありません。窒素(ちっそ:ほかのものとほとんど反応しない気体)だと説明されています。ガスがクッションになり、運ぶ間にチップスが粉々になるのもふせいでいるそうです。
開けてみたら「あれ、半分くらい?」
ポテチの袋を開けたとき、思ったより中身が少なく見えたことはありませんか。「空気ばっかり!」と感じて、なんだか損をした気分になりますよね。
でも、お菓子の会社がわざわざ袋をふくらませるのには、ちゃんとした理由がありそうです。あの「空気」の正体はなんなのか。編集部で調べてみました。
中身は「空気」ではなく「窒素」
アメリカのNBCニュースの記事で、カナダのマギル大学の化学の教授は「純粋な窒素だ」と話しています。
同じ記事では、アメリカのチャップマン大学の食品科学の教授の説明も紹介されています。窒素は、ほかのものとほとんど反応しない気体です。いっぽう、空気にふくまれる酸素はチップスの油と反応してしまいます。そのせいで、チップスがすぐに古くなった味になってしまう。だから窒素を使う、という説明です。
ヨーロッパのスナック菓子の業界団体(European Snacks Association)の事務局長も、業界誌の取材に答えています。窒素などのガスを入れて袋の中の酸素を取りのぞき、商品の新鮮さを保つため、とのことです。
この「空気を別の気体に入れかえる」包み方は、ポテチだけの話ではありません。広島県のページでは、揚げかまぼこを例に「ガス置換包装(ちかんほうそう)」が説明されています。窒素や炭酸ガスを空気と入れかえて、酸素をできるだけ減らす包み方です。酸素は食品が傷んだり酸化したりするのを早めるため、とされています。袋に残る酸素は、ふつう0.5〜1.0%ほどだそうです。
ガスは「まくら」の役目もしている
意外だったのは、ガスが味を守るだけでなく、クッションにもなっていることです。
ヨーロッパの業界団体の事務局長は、ガスが「まくら」のようになると話しています。運んだり、保管したり、お店に並べたりする間の傷みから、中身を守ってくれるそうです。マギル大学の教授も「袋いっぱいの粉々のポテチ」になるのは避けたい、と話しています。
もうひとつ、チャップマン大学の教授は「袋の閉じ口にチップスがはさまると、うまく閉じられない」とも説明しています。チップスが入っていない上の空間は「ヘッドスペース」と呼ばれます。この空間は、袋をしっかり閉じるためにも役立っているそうです。
じゃあ、どれくらいがガスなの?
業界誌の記事では、袋の中のガス(空気)の割合について、いくつかの数字が紹介されています。
| 調べた内容 | 袋の中のガス(空気)の割合 |
|---|---|
| ポテチ好きの愛好家グループの調査(14ブランドの平均) | 約43% |
| ある美術家の実験(2015年) | 約70% |
商品や調べ方によって、数字はかなり違います。どこの国の商品を調べたのかは、記事には書かれていませんでした。日本の商品でどれくらいかも、今回の資料では分かりませんでした。
なお、マギル大学の教授は、チップスの重さは袋に書いてある量のとおりだとも話しています。「ガスが多い=中身をごまかしている」というわけではないようです。
編集部のまとめ
- 話のタネに:ポテチの袋の中身は空気じゃなくて窒素。味を守って、クッションにもなってるんだって
- 「中身が少ない?」と気になったら、はかりで量ってみるのも手です。マギル大学の教授は、袋の表示どおりの重さになっていると話しています
- 「ガスで中身を守る」包み方は、揚げかまぼこなど、ほかの食品でも使われています。お店で、ふくらんだ袋の食品を探してみると楽しいかもしれません


